森のような美しい色彩の「エメラルド」、「翡翠(ヒスイ)」、「アベンチュリン」。
これらは5月の誕生石として親しまれているパワーストーンです。
今回は5月の誕生石についてお話していきます。
5月の誕生石の特徴
5月の誕生石といえば「エメラルド」が世界中で有名です。
日本では、他に「翡翠(ヒスイ)」や「アベンチュリン」が5月の誕生石として扱われているので、ここではこの3つのパワーストーンについて説明していきます。
エメラルド
まず、5月の誕生石といえば「エメラルド」で間違いないでしょう。
エメラルドは、ダイヤモンド、ルビー、サファイアと並んで「世界四大宝石」のひとつに数えられる存在で、このエメラルドを知らない人はまずいないでしょう。
色彩も「緑色」が定着していて、本物を見たことが無い人でもエメラルド=緑色とイメージできますよね。
絵の具などの色彩でも「エメラルドグリーン」という名前があるように、このことからでも緑色がとても魅力的な石であることが分かりますね。
さて、そのエメラルドですが、皆さんは「エメラルド」と聞くと下の画像のような姿を想像するのではないでしょうか。
この画像のエメラルドは、「最高品質」と評価されたもので、ジュエリーとして利用される美しい緑色のものは高級品のみです。
そのため産出量が少ないため、パワーストーンアクセサリーではここまで綺麗なものはまず出回ることがありません。
パワーストーンとして出回るのは以下のような品質のものです。
透明度がないので、同じ石とは思えないかもしれません。
ですが、緑色の発色は良く出ているので、ジュエリー品質のものとはまた違った魅力があるのは確かです。
このエメラルドという石は「ベリル」という鉱物の一種で、そのベリルの緑色の発色のものを指します。
特に真のエメラルドと呼ばれるのは「クロム」による発色のもので、近年「バナジウム」で緑色の発色を示すものがエメラルドと認定されましたが、やはりクロムの美しさには及びません。
他にも、鉄イオンによる淡いライムのような黄緑色のものがありますが、これはエメラルドとは表記されず「グリーンベリル」として出回っています。
ただ、「緑のベリルをエメラルドと呼ぶ」という点では、鉱物上これらはすべてエメラルドと呼べるのかもしれません。
5月の誕生石でエメラルドが欲しいという方は、「ジュエリー品質」「パワーストーンとして出回っているもの」「グリーンベリル」の中から選ぶことになります。
ジュエリー品質のものは言うまでも無く高価ですが、小さいものであれば案外安く買えます。
パワーストーンとして出回っている品質のエメラルドは、不純物を多く含んで緑色以外に黒色部分も多く目立つため、基本的に安価な場合が多いです。
意外にも、グリーンベリルのほうが品質のいいものが多く、パワーストーンとして出回っているエメラルドよりも高価で出回ることがよくあります。
品質により、緑色の濃さにかなりの差があるので、しっかりと自分の目で見て購入することをお勧めします。
エメラルドについてさらに詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。 ⇒ エメラルド|パワーストーン・天然石の意味辞典
翡翠(ヒスイ)
5月の誕生石といえば翡翠も有名です。
英名の「ジェイド(ジェード)」という名前でも広く知られた鉱物ですね。
翡翠には大きく分けて「ジェダイト(硬玉)」と「ネフタイト(軟玉)」の2種類があります。
上記の画像は「ジェダイト」です。
このうち、宝石鑑定で「翡翠」とされるのは「ジェダイト」のみになります。
そのことから日本名で「翡翠輝石」と呼び、また「本翡翠」とも呼ばれます。
ちなみに「ジェイド(ジェード)」とは、ジェダイトとネフタイトを全部ひっくるめた総称のことをいいます。
翡翠を購入するときの注意点ですが、見た目が翡翠に似ているという理由から、全く別の鉱物にも関わらず名前に「○○ジェイド」や「○○翡翠」という文字が使われることが良くあります。
有名なものでは「ニュージェイド」や「インド翡翠」です。
ニュージェイドは、全く別の「サーペンチン」という鉱物で、見た目が似ていたことから名づけられました。
また、「インド翡翠」とはアベンチュリンの別名で、これは水晶が属する「クォーツ」の一種です。
アベンチュリンに関しては近年、5月の誕生石として扱われるようになっているので後述します。
翡翠が欲しいという方は、名前に「本翡翠」や「ジェダイト」の文字が入っているかをまず確認しましょう。
翡翠についてさらに詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。 ⇒ ジェダイト(本翡翠)|パワーストーン・天然石の意味辞典
アベンチュリン(インド翡翠)
アベンチュリンも5月の誕生石として紹介されているパワーストーンなので、是非ここでもご紹介させていただきます。
まず、アベンチュリンの見た目ですが、綺麗な緑色がとっても翡翠に似ているんですね。
そして、主要産地がインドということから「インド翡翠」という別名を持っています。
ですが、翡翠とは全く別の鉱物なので注意が必要です。
上記でも書きましたが、アベンチュリンは水晶が属する「クォーツ」の一種で、日本名を「砂金水晶」といいます。
この日本名を見ると一発で翡翠じゃないってことが分かりますね。
このアベンチュリンという鉱物には、大きく分けて2タイプが存在します。
その前に、このアベンチュリンという名前なのですが、実はこれは鉱物名ではなくキラキラ光る「光学効果」から付けられた名前です。
つまり、キラキラ光る内包物を持つタイプとキラキラ光る内包物の無いタイプの2タイプがあるのです。
まずは、無いタイプから見ていきます。
このキラキラしな内包物が見られないものを「グリーンクォーツァイト」といいます。
「アベンチュリン」とひとことで言うと、一般的にはこのキラキラ光らないタイプを指します。
それほどポピュラーな存在で、パワーストーンの中でも人気の高い石です。
続いて、キラキラ光るタイプを見てみましょう。
キラキラ光り輝く内包物を持つものを「グリーンアベンチュリンクォーツ」と呼びます。
画像ではうまく光り輝く部分が見られませんが、光に当てて様々な方向から見ると”ラメ”のようなキラキラ光るものが確認できます。
これは「クロム雲母」「フックサイト」が入り込んだ為に見られる現象で、人工的に加工しているというものではありません。
両者を見比べてみると、まず緑色の濃さにかなりの違いがあることが分かるはずです。
この色の濃さを見るだけで、一発でどっちのタイプかを見分けることが出来ます。
キラキラが見られないほうは「やさしい緑色」をしているのに対し、キラキラが見られるほうは「深い緑色」をしているのが特徴ですので、どっちか判別するときは色を見るだけで十分です。
このキラキラ光る現象を「アベンチュリンレッセンス」といいます。
もともとアベンチュリンという名前は、キラキラひかる光学効果から由来するものなので、アベンチュリンレッセンスが見られるグリーンアベンチュリンクォーツ「本物のアベンチュリン」と呼ぶ場合もあります。
アベンチュリンは、「アベンチュリンレッセンス」が見られないものも根強い人気があるので、自分のお好みのほうを選ぶといいでしょう。
アベンチュリンについてさらに詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。 ⇒ アベンチュリン|パワーストーン・天然石の意味辞典