「うしおととら」を呼んでみての感想|作中から学ぶ生き様や友情について書いてみる


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「うしおととら」は週刊少年サンデーで連載していた藤田和日郎先生の作品です。

コミックは全33巻となっています。

 

このお話は簡単に要約すると「妖怪退治の物語」です。

14歳の少年「蒼月 潮(うしお)」が次々に登場してくる妖怪を退治していきます。

 

藤田先生の独特な迫力のある妖怪たちが縦横無人に暴れる姿は圧巻です。

今回は数々の賞も受賞している名作、「うしおととら」から学べるものを書いていこうと思います。

うしおの筋を通す生き様

中学生としては決して優等生ではない「うしお」ですが、自分の信念に従い筋を通す生き様は見ていて清々しいものがあります。

当初はうしおに反目していた者たちも、そんなうしおの一本気な姿を見て感化され、仲間になっていくのです。

 

うしおは仲間を救うためには自らの体が傷つくことを恐れません。

時には敵である妖怪のためにも体を投げ出します。

 

この無謀ともいえる勇気が、いじけていた人間の心だけでなく、頑なになっている妖怪の心も動かします。

うしおは自分ひとりでは解決できないような事態に何度も陥りますが、その都度、恩返しをしようとする人間や妖怪の仲間たちによって救われます。

 

ひたむきなうしおの姿勢が相手を信じる心を呼び覚ましたのです。

 

大妖怪とらの関係

この話は「うしお」が自分の寺の地下に封印されていた凶悪な妖怪「とら」に出会うところから始まります。

そこでうしおは最強の妖怪退治の武器である「獣の槍」を手にすることにもなります。

 

最初は隙あらば喰うために「うしお」に憑りつく「とら」でしたが、他の妖怪との戦いや様々な経験の末に少しずつ絆を深めていきます。

うしおととらの互いに力を認め合い、魅力を感じて友情が芽生えていく展開は読者をドキドキさせます。

 

うしおととらの互いの本音をぶつけあった末に築き上げられた友情は実に自由で強力なものになっていきました。

こんな友情に憧れを抱く読者も多かったことでしょう。

 

強力な武器の代償

うしおの持つ妖怪退治の伝説的な武器「獣の槍」。

それは大昔の中国で妖怪への強い憎悪の果てに生まれた狂気の武器です。

 

獣の槍はすべての妖怪の脅威になっていますが、実は諸刃の剣で、使用するものの魂を削り取っていきます。

使用者はやがて自我を失い妖怪になってしまうのです。

 

それを知っても尚、うしおは信念を貫き凶悪な妖怪を倒すために獣の槍を使い続けます。

うしおが妖怪に変わる危機的状況を救ったのは、うしおに救われたり、うしおの影響を受けて精神的にも強くなった女の子たちでした。

 

彼女たちは協力し合い、命がけでうしおの危機を救います。

まさに仲間との絆がうしおの命を救ったのです。

 

最強の敵との戦い

その昔、うしおの母親が自分を犠牲にして封印した相手が、最強最悪の妖怪「白面の者」です。

大陸出身の妖怪で、あらゆるものを破壊していき、日本中の妖怪が束になってかかっても倒せなかった相手でした。

 

その白面の者を滅ぼすために作られたのが獣の槍です。

うしおは長い冒険の末に多くの人間の仲間と妖怪の仲間を増やし、人と妖怪が協力し合ってこの最強の敵にぶつかっていくのです。

 

最後には友情の力が白面の者の予測を上回り、世界は白面の者の脅威から解放されるのでした。

 

友情の有り方

最強の武器を持っていても、それだけではうしおは勝てなかったでしょう。

単純に仲間を増やそうと下出に出ても妖怪はおろか人間とも本当の絆は作れなかったことでしょう。

 

後先のことを考えず、自らの信じる道を突き進むうしおの姿、仲間を心から思い行動に移せる姿が真の友情を生んだのだと思います。

人間と妖怪の関係や世界を大きく変えるうしおの力はまさにその武骨なまでに相手を思う力です。

これこそが”真の友情の力”といえるべきものなのではないでしょうか。


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