パワーストーンなどの鉱物には「硬度」といって石の硬さを表すものがあります。
この硬度は1~10まであり、数字が高くなればなるほど硬い鉱物ということになります。
なので硬度が高ければ硬い鉱物なので、衝撃に強いと思われるかもしれませんが、実は全くそんなことは無いのです!
鉱物には硬度が高いのに脆い(もろい)ものも多く存在します。
なんだか矛盾しているような説明文になってしまっていますが、これはどういうことか下記で説明していきます。
硬度とは?
硬度は1~10の数値で表され、1が一番柔らかく数字が高くなるにつれ硬くなります。
そして10が最大の硬さを誇る物質に指定されています。
「硬度」一覧表
硬度1
地球上で最も柔らかい鉱物で、パワーストーンでは「ソープストーン(タルクの名前で有名)」が硬度1の物質となっています。
あまりの柔らかさで、爪で強く押し当てるだけで簡単に傷となるので取り扱いには注意が必要です。
硬度2
かなり強く押し当てるとなんとか傷ができる硬さです。
パワーストーンでは「セレナイト」や「モスコバイト」(硬度2~4)があります。
硬度の面白いところが、1と2に間には硬さにかなりの”差”があるというところです。
どちらも柔らかい鉱物に違いありませんが、硬度1は簡単に傷がつくのに対し、硬度2はやっと傷をつけることができるくらい硬くなっています。
鉱物ではありませんが、パワーストーンで有名な「アンバー(琥珀)」も硬度2で知られています。
もともとは木から流れ出た樹液が固まったものですが、これが化石化すると鉱物に匹敵する硬さになるから驚きです。
硬度3
この硬さになると爪で傷を付けるのは不可能なほど硬いです。
身近にあるもので鍵やお金(コイン)をぶつけると傷をつけることができます。
硬度3で有名なパワーストーンでは、「カルサイト」があります。
硬度4
4からは傷をつけるには”ナイフ”を用います。
この硬さならナイフの刃で簡単に傷をつけることが可能です。
パワーストーンでは、グラデーションが美しい「フローライト」が硬度4となります。
硬度5
ナイフの刃を使ってやっと傷をつけることができるまで硬くなります。
下手すればナイフの刃が負けて刃こぼれする可能性があるので、硬度5のものにナイフで傷を入れる場合は注意が必要です。
硬度5のパワーストーンでは「アパタイト」があまりにも有名です。
硬度6
完全にナイフの刃が負けてしまう硬さになります。
ナイフの刃がちっとも入らないなんて相当な硬さですよね!
つまりこれは、ナイフの素材の硬度を完全に上回るのでナイフのほうが傷つくということなんです。
パワーストーンでは、「ムーンストーン」や「ラブラドライト」が硬度6にあたります。
硬度7
この硬さは、”鋼(鋼鉄)”や”ガラス質”のもで傷を入れることができます。
あまりに硬い貴重な鉱物であることから、宝石の定義の一つに「硬度7以上であること」というのがあります。
「水晶(クォーツ)」などが属する”石英”が硬度7の鉱物で有名です。
見慣れたパワーストーンの水晶ですが、実はガッチガチに硬い鉱物だったのです!
硬度8
ガッチガチに硬い石英に傷をつけることができる鉱物です。
この硬さで有名な鉱物は「エメラルド」や「アクアマリン」が属する”ベリル”や、トパーズが有名です。
ここからは誰もが聞く貴重な宝石が名を連ねます。
硬度9
硬度8に傷を入れてしまうほど恐ろしく硬い鉱物。
誰もが知る「ルビー」「サファイア」が属するコランダム石が硬度9の鉱物で有名です。
硬度10
世界中のあらゆる物質を削ることができる世界”最硬”の鉱物。
そして、誰もが知る「ダイヤモンド」が硬度10の鉱物で有名です。
硬度の数値は知らなくても、ダイヤモンドが世界で一番固いものっていうのはご存知の方も多いですよね。
“靭性”と”へき開性”の存在
自然界存在する鉱物には、作り出す”結晶”に特有の性質を持つものがあります。
その代表的なもで「靭性」と「へき開性」があり、鉱物の”強度”に密接な関係をもたらしています。
靭性とは?
靭性とは、鉱物の強さを表すもう一つの重要な数値で、「外的な衝撃などによる強さ」を数値化にしたものです。
つまり、いくら硬くてもハンマーなどで物理的な衝撃を加えたときに壊れやすいか壊れにくいかということです。
石自体の硬さを示す硬度ばかり表示されることが多いので、靭性を目にすることは少ないはずです。
へき開性とは?
鉱物には「へき開」という性質を持つものが多数存在します。
この「へき開性」を強く持つ鉱物は、なんといっても衝撃に弱いです。
これは、「さけるチーズ」をイメージしていただくと分かりやすいですが、ある方向からは簡単に裂く事ができるが、それ以外の方向からは裂けにくいという性質です。
鉱物は作り出す結晶によって”へき開”を持ち、硬度が高いものでもある方向から衝撃を加えると真っ二つに割れるとこがあるのです。
実は、世界一硬いダイヤモンドもこの性質を持つ鉱物で有名で、へき開を利用すれば簡単に割ることができるのです。
また、硬度8のエメラルドは”宝石職人泣かせの石”といわれるほど加工が難しい鉱物で知られます。
硬いのに割れやすいのは、加工するのが困難なことはイメージできますね。
鉱物の硬さは”硬度”と”へき開”を見る
硬度が高いからといって、衝撃に強いわけではないことが理解できたはずです。
ですので、石の総合的な強さについては「硬度」「靭性」「へき開」を調べなくてはいけません。
ただ、基本的な石の強さを調べるのは硬度を見ると、その石がどれほど硬いのかが分かります。
あとはそれが衝撃に強いかどうかが重要ですよね。
アクセサリーで身につける場合も特に注意しなくてはいけない部分である、衝撃による強さは、その石が「へき開性」を持つ鉱物なのかどうかを見るようにするといいでしょう。
硬度が高く、「へき開くなし」であれば頑丈な石。
硬度が高くても「へき開性」が“○○方向に完全”や“明瞭”となっているものは、強いへき開性を持つ鉱物です。
当ブログでは、パワーストーンの意味辞典がありますが、それらをご覧いただくとかなり多くの鉱物に「へき開」があることが分かります。
とわいえ、硬度が高くても物理的に強い衝撃を加えれば傷になってしまいますので、常に大切に扱ってあげましょう。