甘エビといえば、寿司ネタでもメジャーな存在ので、あのプリップリの食感に、とろけるような甘みは食べたらやめられなくなるほど美味しいですよね。
甘エビの旬は、場所によって違いますが基本的には秋の終わり頃から冬にかけての海水温が下がる頃。
この時期の甘エビが一番美味だといわれます。
ただ、獲れたのを冷凍保存されたり、輸入も行われているため、一年中楽しめる食材となっています。
普段「美味しい!」といって食べている甘エビさんですが、実は驚くべき生態を持つ生き物で知られます。
甘エビはオスからメスへと性転換する生き物
エビの中で「タラバエビ科」に属するこの甘エビは、性転換する珍しい生き物で知られています。
実は、甘エビは生まれて3年ほどはオスもメスも区別が無く性別を持ちません。
そしてはっきりと性別を持つのは4年目からです。
4年目に突入すると、甘エビは「オス」として生きます。
ですので、市場に出ている小さめの甘エビはすべてオスということになります。
そして、メスと交尾したオスの固体は5年目~6年目から今度は「メス」として生きるのです。
つまりオスが性別を変えメスに性転換するのです。
体の大きい固体はすべて5年以上生きたメスだと思っていいでしょう。
甘エビの寿命は約10年ほどあり、この間に3回ほど産卵することが分かっています。
不思議なことに、日本海側に生息する甘エビは一年おき、つまり2年に1度しか産卵しないことが分かっていて、太平洋側の固体では毎年産卵することが分かっています。
また、オホーツク海に生息する甘エビは、両方のタイプが確認されているそうです。
基本的に秋~冬が旬の食材ですが、流氷で有名な北海道のオホーツク海側では3月から多く水揚げされます。
また、新潟県・富山県・石川県・福井県の北陸地方では9月から多く水揚げされます。
また輸入されたり、冷凍保存されるものも多いため年中楽しめる食材なのです。
ただ、甘エビが一番美味しいとされるのは、ちょうど性転換する前の4年目~5年目のオスの固体だそうです。
プリップリで甘い「甘エビ」は、生命の神秘をも感じさせてくれますね。
また、余談ですが「性転換」をする海の生物って結構多いらしく、主のさんご礁の中に住んでいるような魚を中心に約300種類も確認されているといわれています。
そんな不思議な”能力”を持つ生き物の中で、普段よく目にするものでは甘エビが代表的な存在だといえるでしょう。