アンバーといえば、日本名で琥珀(コハク)のことをいい、ご存知の方も多い鉱物ですよね。
基本的に色彩は、べっこう飴のような黄色~赤みがかったものが中心に流通しています。
アンバーは、はるか昔の木の樹液が固まったもので、正確には鉱物ではありませんが、その硬さは鉱物に匹敵します。
そのため、古くから装飾品として利用されていた存在でもあるんですね。
アンバーにはいくつかカラーがありますが、普段は滅多に市場に流通しないものがあります。
それが「ブルーアンバー」です。
ここでは、超レアストーンであるブルーアンバーの魅力について書いていきます。
ブルーアンバーとは?
ブルーアンバーは、青琥珀といわれる琥珀です。
琥珀は、今から約2500~3000万年前の木々の樹液が化石化して固まったものを指します。
厳密にいうと鉱物ではありませんが、化石化することで鉱物に匹敵する硬度となります。
とはいえ、硬度が2程度と鉱物の中では非常に低いものなので、すごくモロイものであるに違いはありません。
市場に出回るアンバーは、そのほとんどがバルト産のものとなっています。
また、それらのアンバーは熱処理により色彩を変化させたり、一度溶かして形を変化させたりと、加工されているものであることがほとんどです。
一方、ブルーアンバーは主にドミニカ共和国で産出される、大変希少なアンバーです。
もちろん、ブルーアンバー以外のアンバーのドミニカで産出されますが、ブルーアンバーに至っては、ドミニカ共和国のものが主流でした。
現在では、ドミニカ共和国以外でも、メキシコやスマトラ島でも発見されています。
ただ、やはりブルーアンバーはドミニカ共和国での産出量が多いといわれます。
ブルーアンバーの色彩
ブルーアンバーは、熱処理がされないままの状態で流通します。
ですので、基本的なカラーは、色が抜けたような黄色や茶色っぽい感じの色彩であることが一般的です。
しかし、強い紫外線(太陽光)を当てると、もとの姿からは想像もできないほど綺麗なブルーの発色が現れます。
これがブルーアンバーと呼ばれる理由でもありますね。
実際には太陽光の下だと青緑色の色彩で、LEDライトや白熱電球の光でも綺麗な青緑色の発色を見ることができます。
ちなみに、黒い布の上に置き、ブラックライトを使用すると、息をのむほど美しい完全ブルーの発色が見られます。
この現象は、ブルーアンバーの表面が紫外線によって「表面発光」しているからです。
ブラックライトを設置しているお洒落なお店に入ると、ブルーアンバーが目覚めるような青色に発光して、場のみんなを驚かせることでしょう。
ブルーアンバーの品質
ちなみに、ブルーアンバーはインクルージョン(内包物)の有無でも色彩に影響を与えます。
内包物が入った不透明なものは、通常の色彩は黄色ではなく褐色だったりします。
それに紫外線を当てると、ブルーの発色は現れますが、内包物の少ない透明度のあるものよりは断然落ちます。
ですが、どちらが綺麗かといわれれば、双方に手が上がるのがブルーアンバーの魅力です。
一般的に内包物が多いものは、品質が低いものとして扱われますが、むしろそういったブルーアンバーを求める人も非常に多いのです。
こういったレアストーンの前では、品質基準は当てはまらないのかもしれませんね。
自分の好きな見た目・色彩のものを求める。
そういった品に、高品質以上のお金を出すことだってよくある話ですからね。
ブルーアンバーの偽物
ブルーアンバーは産出量が極めて少なく、良品を取り扱うショップは本当にごくわずかです。
そんなブルーアンバーの偽物が、最近は多く流通するようになっているとのことです。
偽物といえばガラス石や、特殊プラスチックなどの人工石などがあり、これらは鑑定すると一発で判明します。
詳しい方なら、重量や手触りでも違和感を感じるでしょう。
しかし、ブルーアンバーの偽物はプロの目を欺くほど巧妙です。
そのプロですら判別不可のブルーアンバーは、この鉱物の性質を利用して、本物の琥珀の表面に紫外線で青く光る膜を付けるのだそうです。
通常、表面だけに貼り付けるなら光り方に違いが出るはずですが、プロですら分からないというのだから、何か特殊な技法が使われているに違いありません。
ただでさえ流通量が少ないものですから、ブルーアンバーを購入するときは「現地買い付け」を強みにしているショップのみに絞ったほうがいいかもしれませんね。
最後に
ブルーアンバーとは、通常はごく普通の「琥珀色」に違いないもので、太陽光などが当たったときに美しいブルーの姿を現す琥珀のことなんですね!
アンバーはとても軽く水に浮くほどです。
最初に発見されたのは、バルト海岸で波に打ち上げられていたものだといわれています。
ブルーアンバーは、人魚が流した涙が海岸まで辿り着いたかのような、とてもロマンチックな存在にも思います。