誰にでも、人生では立ち止まる瞬間があります。
その瞬間だからこそできることもあります。
振り返って過去から何かを学んだり、将来を見つめて道筋を決めたり。他人の意見に耳を傾けたり。
立ち止まって悩むときこそ、ひとが成長する大切なときなのかもしれません。
今回からはそんな他人の意見、しかもそこから大きな成長を遂げた偉人の方々の話に耳を傾け、自分を見つめ、考えてみましょう。
今回のテーマは「人生に立ち塞がる問題」です。
人生に立ち塞がる問題は、外的要因に見えて、他人や環境のせいにしがちですが、実は自分の内的要因が引き金になっているケースが多々あります。
自分が抱えてきた問題、目を伏せてきた問題、トラウマとなっている問題、そんな問題が急に息を吹き返して襲ってきたとき、ひとは立ち止まるのです。
■「あちこちを旅してまわっても、自分から逃げることはできない 」
⇒ [アメリカの小説家 ヘミングウェイ]
気分転換、気持ちを切り替えるために人は旅に出ます。
環境は大きく変わります。
風景も、そこに居る人たちも、出会いや感動もまるで変わります。
でも自分の中の問題は何も変わらず残り続けるのです。
場所を変え、見えるもの、聞こえるものを変えても自分の中の問題からは逃れられない。
つまりその場から離れても解決はしないということです。
逃げていてもなにも解決しない、逃げるくらいなら当たって砕けたほうが人生の為になるはずです。
■「人は運命を避けようとしてとった道で、しばしば運命に出会う 」
⇒ [フランスの詩人 ジャント・デ・フォンテーヌ]
その場所にいるから自分の問題と向き合わなければならないわけではない。
どこに行っても必ず自分の中の問題と向き合わなければならない。
克服しなければならない自分の課題は、どこに行っても必ずついて回ります。
■「どんなに遠く旅をしても、その距離だけ内面へも旅をしなければ、どこへも辿り着くことはできない」
⇒ [アメリカの画家 リリアン・スミス]
自分の内面を無視して進んでも、そこは本当の自分が立てる場所ではない。
日々、自分の内側にある問題とも向き合っていくことで、本当の自分が立てる場所に辿り着くのだと思います。
■「もし私の持っているものが、私を意味するのなら、また私の持っているものを、失ってしまったら、私は誰なんだろう?」
⇒ [ドイツの社会心理学者 エーリヒ・フロム]
自分の中の問題こそが今の自分を作っているのです。
乗り越える困難さを恐れて、それを捨ててしまうことは、自分という存在を捨て去ることになるのかもしれません。
偽りの自分として過ごすより、自分をしっかり持つ勇気が必要ですね。
このように、自分の中の大きな課題点は、避けられない問題であり、また避けてはいけない問題なのです。
自分のトラウマを見つめることは大変なことです。しかもそれを認めることはもっと困難です。
しかし、逃げずにそこにぶつかっていくことこそが人生であり、成長であり、成功であると私は思います。
次はどのような発想で臨むことが、自分の問題や課題点を克服できるのか考えていきたいと思います。
「隣の芝は青い」ということわざがありますが、ひとは他人のことはよく見えます。
こんな苦労をしているのは自分だけ。
こんな問題は自分の内側だけと考えてしまいがちですが、そんなことはありません。
ひとは皆、苦労し、努力し、また苦悩して、そして成長しているのです。
以下では、問題に直面したときに自らを発奮するための先人の言葉をご紹介いたします。
前向きな気持に自らをするためのキーワードが隠されているはずです。
■「自分に何ができるかを知ることより、何ができないのかを知ることの方が重要である」
⇒ [アメリカの女優 ルシル・ボール]
順風満帆の人生を歩むことをひとは望みますが、困難こそが成長の鍵です。
自分の内の問題に感謝をするぐらいがちょうどいいのかもしれません。
自分の内に問題がないひとなどいないのですから。
■「人生は学校である。そこでは幸福より不幸の方が良い教師である」
⇒ [ロシアの文学者 フリーチェ]
良い教師に巡り合えていると思えば、自分の抱える問題にも愛着が生まれるかもしれません。
必ずあなたを成長し、成功させる大切なことを教えてくれる教師なのですから。
■「人生に失敗がないと、人生を失敗する」
⇒ [精神科医 斎藤茂太]
そのものズバリですね。
「失敗は成功の基」とよくいいますが、失敗は必要なのです。
そこから生まれてくる後悔や苦悩もまた大切です。
大事な事は、失敗から逃げることや忘れることではなく、それをしっかりと積み重ねて成功に近づけていくことです。
これは自分の内の問題にも共通する話だと思います。
自分の内に問題のないひとはいません。
その問題に気が付けないひとが失敗するのです。
自分の課題を見つめましょう。
■「人の一生は重荷を負うて遠き道をゆくがごとし、急ぐべからず」
⇒ [江戸幕府創始者 徳川家康]
自らの内なる問題と向き合うのは大変なことですが、それを抱えて生きていくのが人生です。
安易に投げ捨てるのではなく、それを背負って生きていかねばならないのです。
自分の内なる問題は捨てたつもりになっているだけで、いずれかならず姿を現します。
重荷を感じて生きていくことは、自分の課題と向き合って生きていくことと同義ではないでしょうか。
■「すべてを今すぐに知ろうとは無理なこと。雪が解ければ見えてくる」
⇒ [ドイツの詩人 ゲーテ]
自分の内なる問題もそうかもしれません。
今すぐに解決することは無理な話なのかもしれません。
それは雪解けの花の芽のように、多くを経験した後で解決の糸口が見えてくるのかもしれませんね。
■「人生に失敗した人の多くは、諦めたときに自分がどれほど成功に近づいていたのかを気づかない人たちだ」
⇒ [アメリカの発明家 トーマス・エジソン]
失敗をすることでひとは必ず成功に近づけるのです。
自分の内なる問題と向き合い、それを克服しようとする努力は必ずあなたを成長させています。
途中で諦めることは実にもったいないことです。
もう一息でその課題を克服できるかもしれないのです。
偉人の有名な言葉(名言)をお伝えしてきました。
いかがだったでしょうか。
心に響くものが多かったのではないでしょうか。
世界に名だたるひとたちも同じようにもがき、苦しみ、そして何かを得ています。
私たちも同じように現代のストレストと戦い、苦しみ、悩んでいます。
いつの時代でも、人間は同じようにして成長していくのでしょう。
それが知れただけでも私は勇気が沸きました。
一教師として生徒たちにも伝えていく使命を感じましたし、大人として子供たちに話していかなければならない責務を強く感じます。
友人に対しても、配偶者に対しても、親や親族に対しても、力になれる存在でありたいと感じています。
■偉人の名言から学ぶをテーマに、二人の女性の言葉をお伝えしましょう。
どちらのお話も心に響きます。
まずはイギリスの首相だったマーガレット・サッチャーの言葉です。
(マザー・テレサの言葉としても広まっています。)
思考に気を付けなさい。それはいつか言葉になるから。
言葉に気を付けなさい。それはいつか行動になるから。
行動に気を付けなさい。それはいつか習慣になるから。
習慣に気を付けなさい。それはいつか性格になるから。
性格に気を付けなさい。それはいつか運命になるから。
すべてがつながっているというお話です。
思考が言葉に、言葉が行動に、行動が習慣に、習慣が性格に、性格が運命につながる。
そうであるならば、私たちは自分たちの運命を自分たちで切り拓くことができます。
そのためには思考からです。
考え方が大切です。
上記でお伝えしてきた先人の言葉、考えが、きっと私たちの運命を変えるきっかけになるはずです。
どんな困難な環境でも、前向きになれるような力強さを与えてくれますね。
そして、もうひとりの女性の言葉をご紹介します。
インドの、いえ、世界のカリスマ的存在であるマザー・テレサの言葉です。
ひとはしばしば不合理で、非論理的で、自己中心的です。
それでも許しなさい。
ひとにやさしくすると、ひとはあなたに何か隠された動機があるはずだと非難するかもしれません。
それでもひとにやさしくしなさい。
成功すると、不実な友と、本当の敵を得てしまうことでしょう。
それでも成功しなさい。
正直で誠実であれば、ひとはあなたをだますかもしれません。
それでも正直に誠実でいなさい。
歳月を費やして作り上げたものが、一晩で壊されてしまうことになるかもしれません。
それでも作り続けなさい。
心を穏やかにし幸福をみつけると、妬まれるかもしれません。
それでも幸福でいなさい。
今日、善い行いをしても、次の日には忘れられるでしょう。
それでも善い行いを続けなさい。
持っている一番いいものを分け与えても、決して十分ではないでしょう。
それでも一番いいものを分け与えなさい。
まさにマザー・テレサの人生そのものです。
自分に対して何ができるのか。
他人に対して何ができるのか。
人間は絶えず葛藤の中で生きています。
人生に立ち止まったから、ではなく、日々考え行動していくべきことがらを掲載したつもりです。
先人の言葉は、心に響くだけではなく、挫折しそうな状況下でも立ち直れるような勇気をくれますね。