柑橘類といえば「みかん」があまりにも有名ですが、この柑橘類にはかなりの多くの種類が存在します。
その中でも、広く人目に触れることの多いものではタイトルにもある「デコポン」「はっさく」「ぽんかん」「いよかん」が代表的ではないでしょうか。
見たことがあるかたなら大体の違いは分かるかもしれませんが、あまり知らない方からすれば同じ様な皮の果物ということ以外、全くどこに違いがあるのか分からないという方が多いのではないでしょうか。
ここでは、上記の4種類の柑橘類の違いについて説明していきます。
「デコポン」「はっさく」「ぽんかん」「いよかん」の違い
これらは「みかん」のような皮を持っている「みかん系」の果物です。
似て非なるものというくらいそっくりさんな果実たちですよね。
ちなみに日本では、一言で「みかん」というと「温州蜜柑(ウンシュウミカン)」を指すのが一般的です。
よく箱買いすると、「有田みかん」や「愛媛みかん」の文字が書いてあるのを見ますが、あれらは全て温州ミカンなんです。
愛媛といえば、「蛇口をひねるとポンジュースが出てくる」というジョークがあるくらいミカンで有名ですよね。
では、本題の4種の違いについて説明していきます。
デコポンの特徴とは
「デコポン」は、頭がポンッ!と飛び出た形状をしているのがあまりにも特徴的です。
デコポンは贈り物としても良く利用される果物で、ハウスでも盛んに栽培されています。
ハウス栽培されたデコポンは年末頃から1月頃に旬を迎えますますが、通常のものは4月頃が旬のピークを迎えます。
皮は分厚いのですが、とても内皮がとても柔らかく、むきやすいです。
とても糖度が高く、酸味が少ないため、とにかく甘いのが特徴です。
そして種が無いので気にせず食べられるのが嬉しいです。
実は、デコポンにはシナヌヒ(不知火)という別の呼び名があります。
しかし、ある基準を満たしているもののみしか「デコポン」と呼べないという規定が存在しています。
このデコポンは、熊本県果実農業協同組合連合会というところが商標登録している果物で、その規定に準じます。
まず一つ目が、糖度が高く酸味が少ないということ。
そして、全国のJAを通して出荷されたものと定められています。
上記の規定をクリアしたものが「デコポン」と呼ばれ、規定に達しないものは「シラヌヒ(不知火)」と呼ばれます。
つまり、デコポンとシラヌヒは全く同じですが、全く違った扱いをされる果物なんです。
ぽんかんの特徴とは
「ぽんかん」にもデコポンのように名前に「ポン」が付きますが、これは姿の特徴を現したものではなく、原産国であるインドの地名「プーナ(Poona)」に由来しています。
ぽんかんは1月~2月頃に食べごろのピークを迎えます。
ぽんかんの最大の特徴は「香り」です。
この、他の柑橘類と比べて「香り」が一段と強く、香りだけでも美味しさが伝わってきそうです。
その香りの期待通り、甘みがとても強いのが特徴です。
また、皮が全体的に柔らかいので、とてもむきやすいです。
ぽんかんには「種」が含まれるので、小さいお子さんや歯の弱い方は注意が必要です。
はっさくの特徴とは
「はっさく」は、漢字では「八朔」と書きます。
はっさくの食べ頃のピークは4月上旬から中旬にかけて。
皮の色が黄色に近く、身のつぶつぶが粗いのが特徴です。
そして、果肉も黄色っぽい色をしています。
味は、甘みと酸味の両方を持ち合わせていて、ほんのりと苦味を楽しめる柑橘類として知られています。
種が多く、とても分厚く硬い皮で覆われているため、手でむくのは難しいでしょう。
いよかんの特徴とは
「いよかん」はズシッと大きく重たい「みかん」というようなイメージのある果物です。
漢字では「伊予柑」と書きます。
食べ頃のピークは、12月の終わり頃から2月にかけて。
宝石のように美しいオレンジが見事で、皮をむいたときに瞬時に漂う美味しそうな香りがたまりません。
とても果汁が多く、甘酸っぱいのが特徴です。
皮は多少厚いですが、手でむくことも十分に可能です。
種が少々入っていることもあります。
いよかんを選ぶときは、持ったときにズッシリと重たいものを選ぶのがいいです。
また、身が皮から離れてブカブカになっているものは味が落ちているものだといわれますので、避けるようにしましょう。
最後に
それぞれの特徴について説明していきましたが、それぞれ「香り」「甘み」「酸味(苦味)」「皮の硬さ」「種の有無」などに結構な違いがあるんですね。
でも、見た目だけでは判断するのはかなり見慣れている人じゃないと無理そうなものもあります。
例えば、デコポンでも頭のコブがほとんど無いものも存在するようです。
私の知り合いに、以前スーパーで働いている人がいたのですが、「これはデコポンですか?」という質問で判断に苦労したという話を聞いたことがあります。
皮をむいたときの香り、食べたときの味ではじめて決定的な判断ができるのも、これら似た柑橘類の魅力なのかもしれませんね。